音量について 前編

ゲーム制作の音量について前後編で紹介します。前編は主に前提知識の紹介となっています。

後編記事

また、今回の記事内容ですが、なるべくYouTube動画の視聴をおすすめします。内容がサウンド関連なので音があった方が分かりやすい部分があるためです。

さて、本題の音量についてですが、ゲーム制作では重要なルールが2つありますので紹介します。

  • ルール1 音量は0dBを超えてはいけない
  • ルール2 音は大きければ大きいほど良い音と感じる

この2つのルールについて解説していきます。

ルール1 音量は0dBを超えてはいけない

dBというのは「デシベル」と読んで音の大きさの単位です。(参考: https://www.healthyhearing.jp/topics/topic-article-05 )。30dBがささやき声で、電車の車内が80dB、飛行機のエンジン音が120dBなど聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

じゃあ超えてはいけない0dBって一体?と思ったかもしれません。実は先ほどのdBはdB SPL(サウンドプレッシャーレベル)と言って人間の耳が聞こえない音を0dBとして基準にした音の表し方なのです。Unityをはじめとしてコンピューターで使用されるのはdB FS(フルスケール)と言って再生できる最大音量を0dBとして音の大きさをマイナスで表します。

例えばBGMは-12dB FSで小さめに鳴らすとか、剣の音はやや大きめに-2dB FSで鳴らすとか、そういった使い方をします。

こういった見た目でdB FSは表示されることが多いです、これはUnityのMixer

再生できる最大音量というのは、音を再生する機器ごとに違います。例えばあるスマートフォンのスピーカーが最大80dB SPLで音を鳴らすことが出来るとします(このスピーカー性能は仮です)。Unity上で-1dB FSで鳴っている効果音をこのスマートフォンのスピーカーから鳴らすと、この効果音は79dB SPLで鳴ります。また、あるテレビのスピーカーが最大100dB SPLで音を鳴らすことが出来るとします(このスピーカー性能も仮です)。同じ効果音をこのテレビのスピーカーから鳴らすと99dB SPLで鳴ります。Unity上では-1dB FSで変化はないですが、機器の最大音量から1dB小さい音量でそれぞれ鳴るために、79dB SCLで鳴ったり99dB SCLで鳴ったりします。

念のため補足ですが、機器を使う人が機器のボリュームを下げればそれよりも小さな音で鳴ります。

では、Unity上で効果音がマイナスではなく5dB FSで鳴っていたらどうでしょうか?先ほどのスマートフォンのスピーカーでは85dB SPLで鳴るのでしょうか?

正解はスマートフォンのスピーカーでは80dB SPLで音割れしてしまって鳴る、でした。スマートフォンのスピーカーは80dB SPLまでしか鳴らせませんので、それより大きな音量を鳴らそうとする5dB FSでは音が割れてしまうのです。もちろんテレビのスピーカーでも同様に105dB SPLで鳴ろうとして音割れします。

なので、音割れしないためにゲームの音量はBGMと効果音が同時に鳴っても0dBを超えてはいけません。

ルール2 音は大きければ大きいほど良い音と感じる

ルール1で0dBよりずっと小さい音にすれば安全では?と思った人もいるかもしれませんが、そういうわけにもいきません。なぜなら小さい音は良くない音と人間は感じてしまうからです。

逆に大きい音は良い音と感じます(例外はあります、聞きたくない嫌な音とか)。なので0dBは超えてはいけないものの、なるべく大きな音にする必要があります。

小さな音でもユーザーさん側で機器のボリュームを上げてもらえば良いのですが、ゲームの音が小さいからといって、スマートフォンやテレビのボリュームを普段使わない大きさまで大きくするとは限りません。

更にスマートフォンゲームでは動画広告を使うことがありますが、この動画広告には音が付いています。ユーザーさんがスマートフォンのボリュームを大きく上げてくれた場合、動画広告の音が非常に大きくなってしまいます。

こういった広告の音は大抵ゲームとは別で鳴ります

そういった点からも、ゲームの音量は小さくし過ぎない方がいいです。

まとめ

今回紹介した2つのルール、実はこれはスマートフォンゲームやPCゲームだけでなく、DTMと呼ばれるコンピューターミュージック作成でも全く同じなのです。音の基本ルールとも言えるルールですので、このルールは必ず覚えておいた方が良いです。

後編ではゲーム制作をする際に、音量を具体的にどうしたら良いかを紹介していきます。

最後にアプリの紹介です。動画中で例にも使用したiOS/Android用ゲーム『スピードチャンピオン』、こちら音も含め気持ち良さにこだわったゲームとなっていますので、もしよければ遊んでみて下さい。

『スピードチャンピオン』

対応OS:Android/iOS

価格:無料(広告削除課金あり)

スピードチャンピオン公式ページ:https://www.yamayamadagames.com/speedt

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カテゴリー: 技術部